人は、運命の家と出会える。
仲介マンがあきらめなければ。

お客さまにとって最良の物件は、今あるものの中にあるとは限りません。それは、明日売りに出るかもしれない。一年後かもしれない。肝心なのは、見つかるまで粘りつづけること。人には、運命の物件がある。わたしはそう思っています。

お電話でお問い合わせいただいたK様は、東京へ移り住んだ娘さんご夫婦と同じマンションのご購入を検討されていました。しかしあいにく、その時売却中の物件はありませんでした。見つかり次第ご連絡するとお約束し、わたしは電話を切りました。

直後、娘さんご夫婦のお部屋を仲介したのは、実は同じ部署の先輩だったことがわかりました。わたしは不思議な縁を感じ、何とかK様の近居のお手伝いをしたい、と思いました。

同じマンションではないものの、近所の物件をK様にご提案してみましたが、やはり「同じマンション」は譲れない条件のようでした。それほどまでに、遠く離れた仙台でのひとり暮らしがさみしく、不安だったのだと思います。

早くなんとかしたい。その一心で考えうる全てのルートを当たっているうちに、偶然、もうじき売却物件が出るという情報をつかみました。それは、お問い合わせからたった2日後のこと。部屋の情報を詳しく見たわたしは、それが運命の物件であることを確信しました。K様にご報告したときの反応は、今でも忘れられません。

「娘の隣の部屋だわ!」

不動産購入の運や縁は、コントロールできるものではありません。しかしわたしは、たとえ無駄な努力であっても、それを引き寄せるための試行錯誤を続けていきたいと思います。ひとりひとりの仲介マンは、お客さまの幸せを背負っているのですから。