家さがしより、
納得さがしのお手伝い


「いい部屋ですね。でも、最上階だと夏は暑そうだし、予算が…」それが、Y様の最初のご感想でした。ご希望の低層階のお部屋が内覧できなかったため、雰囲気だけでも、とご案内した同じマンションの最上階。Y様の、運命のお部屋―。

少し後、元々の低層階のお部屋をご案内し、やはりY様がお気に召されたとのことで購入の申し込みを頂きました。しかし、交渉を進める中で、仲介のプロとして契約条件面でおすすめできない点が。Y様にそれをお伝えしたところ、ご納得していただき、別の物件を探すことになりました。

奥様のご実家近くでの近居。候補は多くないですが、これだ、と思える住まいを選んでいただきたい。Y様ご自身が納得して判断できるように、あらゆる情報―エリアのマンション事情や相場感、わたしの考えるメリットデメリットなど―を、お渡ししました。しかし、半年近く探しても条件に見合う物件は見つかりませんでした。

一方で、時間もネックでした。贈与税優遇の特例が、まもなく縮小されるタイミングだったのです。ご両親からの資金援助を考えると、そこが期限でした。まさにその折、あの最上階のお部屋の値下がり情報が。ここしかない。あとは、「暑さ」の問題だけ。

ちょうど季節は真夏。わたしは実際のお部屋を締め切ってご説明することにしました。Y様とご両親が、エアコンが入っていないことに気がつかれたとき、もはや言葉はいりませんでした。「眺めもいいし、静かだし。最上階にして、むしろよかったです」後にY様からいただいたお言葉が、わたしにとっていちばんの勲章です。Y様、このたびはありがとうございました。